ビッグバンの後,急速に膨張を続ける宇宙は,ある日,膨張をやめ,収束していく。そして,再び無の存在に帰したとき,あらたなビッグバンが起き,新たな膨張を始める。
「ウィンアンプ」の開発者らが公開したファイル共有ソフト「グネーテラ」は,AOL社によって封印された後も,リバースエンジニアリングされ,新しいバージョンで出ている。また,リナックス版,マッキントッシュ版,JAVA版も開発されている。その開発者は,「グヌーテラは,ワードファイルやHTMLファイルの中身も検索できる。ウェブを介したリアルタイムの情報交換の主要な標準になるだろうと思っている」と述べている。
現在のネットワークの年齢は?,という問いがあったとしたら,あなたはなんと答えるだろうか。やっと一般の人にも根づいて,ものすごい勢いで進化している,まるで何も怖いものがない十代のように,という答えもあるだろう。ウェブにできること,できないこと,気をつけなければいけないことなどが明確になってきて,より安定へと向かうときになっている,社会の中でいろいろと経験する二十代のように,という答えもあるだろう。もういい加減,若気の至りみたいなことはやめ,責任を大きく負い,社会を形成する一員となるべき中年期たる,という意見もあるだろう。
ヤフーができたのが94年,ネットスケープ社が創立したのも94年だった。わずか6年ほど前だが,“この地”の進化は,リアルの何十倍にも相当する。数日前の出来事など,歴史年表の一行に過ぎない。ウェブは,すでに年を取り過ぎているのかもしれない。すでに世代交代の時が近づいているのかもしれない。ヤフーのディレクトリサーチも,アルタビスタのロボットサーチも,追いつかないほど,世界は変化してしまった。新・し・い・何・か・が・必・要・だ。グヌーテラは,今までのウェブを死に至らしめる,ビッグバンと,なりえる。
|